▼1月28日午後4時より銀座・和光7階会議室にて、2002年度日本陶磁協会賞並びに金賞の選考委員会が行われました。出席の選考委員、梅澤信子、金子賢治、唐澤昌宏、黒田和哉、中ノ堂一信、西田宏子、宮島格三、吉田耕三、弓場紀知、森孝一の10名による、厳選なる選考の結果、次の二氏の授賞が決定しました。
2002年度日本陶磁協会賞 金重有邦氏
2002年度日本陶磁協会賞金賞 柳原睦夫氏
受賞式を7月24日に銀座・和光6階の和光ホールにて、受賞記念の二人展を7月24日から31日まで同じく和光ホールにて開催の予定。受賞作家の紹介および記念展の詳細は「陶説」7月号にて掲載いたします。
▼日本陶磁協会賞 金重有邦氏
1950年、金重素山の三男として岡山県に生まれる。武蔵野美術大学彫刻科中退。その後、父・素山のもとで陶芸の道に入る。岡山・日本橋高島屋、壺中居等で作陶展。金重有邦氏が作る柔らかな曲線、端正、繊細な造形の備前は、古備前や、焼きものに限らず優れた美術品と接することで培われた美意識から生み出される。
▼日本陶磁協会賞金賞 柳原睦夫氏
1934年、高知県に生まれる。京都市立美術大学工芸科陶磁器専攻卒、京都市立美術大学専攻科修了。富本憲吉らに師事。国内外の陶芸展で受賞。大阪芸術大学工芸科教授。アメリカにおける陶芸指導や現代美術との出逢いを通じて、独自の陶芸観と作風を確立。「ギン・オリベ」などユーモアを含んだ独特の作品が作り出される。
▼現代陶芸のコレクターである菊池智氏が長年にわたり蒐集されたコレクションの一般公開、現代陶芸の発展普及、陶芸作家や研究者の育成を目的として、「菊池寛実記念智 (とも )美術館」が4月に開館する。
開館記念展「Japanese Ceramic Today, Part 1」 (4月19日から8月3日 )では、菊地コレクションのなかから選りすぐりの100点が展示される。菊池コレクションの国内での公開はこれが初めてのことだが、海外ではすでにスミソニアン博物館、ヴィクトリア&アルバート美術館の展観で、高い評価を得ている。当時の展示を担当されたリチャード・モリナロリ氏による構成・会場デザインも、コレクター菊地智氏の眼を通した現代陶芸の作品とともに楽しみな展覧会である。
菊池寛実記念智美術館 東京都港区虎ノ門4-1-135 西久保ビルB1F 電話03-5733-5131
▼大阪の出光美術館 (中央区南船場 )が、3月23日に閉館する。その最後の展覧会として、同館のコレクションによる「陶ム技と大地のエネルギーのハーモニー」展が開催されている。中国陶磁五千年の歴史を、名品約120点でたどるもの。ギャラリートークは毎週土曜日午後2時から。
▼100回を迎える「九州山口陶磁展」出品申込受付中。出品資格者は九州山口在住者のみ。第一部「美術工芸品・オブジェの部」第二部「産業陶磁器の部 (伝統デザイン部門・モダンデザイン部門 )」。作品点数、条件等詳細は、問合せのこと。四月九日までに所定の用紙にて九州山口陶磁展事務局へ申込みのこと。搬入は4月10日から12日まで。会場は第一部が佐賀県立九州陶磁文化館、第二部が有田商工会議所。会期は4月29日から5月11日。事務局・佐賀県西松浦郡有田町岩谷川内2-8-1 有田町役場商工観光課内 九州山口陶磁展事務局 電話0955-43-2101
▼「鍋島藩窯 出土陶磁にみる技と美の変遷」 (鍋島藩窯研究会編 )が刊行された。鍋島藩窯品の出土する旧代官詰所周辺の、昭和27年、51年、52年に行われた発掘調査の詳細な報告をまとめたもので、掲載資料は約900点にのぼる。研究者、愛好家待望の報告書。執筆者は東中川忠美、大橋康二他。発行は有限会社ダット (佐賀県鍋島3-7-32、電話0952-34-1880 )、税込み価格8000円。
ご希望の方は、送料込み8520円を左記にお振込下さい。郵便振替 口座番号01720-8-104991 有限会社ダット
▼武蔵野美術大学名誉教授で協会賞受賞作家でもある加藤達美氏が、1月6日午前1時14分、心臓発作のため千葉県富山町の病院で死去された。享年74歳。多治見市出身、自宅は千葉県富山町市部541。葬儀は自宅にて近親者だけで行われた。喪主は妻・絹子さん。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 加藤達美氏は、1929年生まれ。加藤土師萌氏の長男。1970年より武蔵野美術大学で教鞭を執り、1976年に陶磁協会賞受賞。