地震による珠洲焼の被害とボランティア募集
本年5月5日に、石川県珠洲市で震度6強と続いて5強の地震が発生しました。
珠洲焼作家の団体・創炎会の調べでは、会員の作家39人を調査したところ、すべての人に被害が確認され、5,000点総額7,000万円に及びました。作品だけでなく薪窯が倒壊するなど甚大な被害が出ています。『陶説』では、応援や募集の情報が入り次第、お伝えしていきます。
*第一弾の急ぎの募集は、6月10日より始まる「珠洲焼応援団2023!」です。
被災した陶芸家の薪窯の再建のため、現地で手伝っていただける方を募集しています。
1・使用可能なレンガの掃除(1日通しで作業のできる方)。游戯窯 篠原敬・6月10日~14日/飯塚窯 中山達磨・8月中旬
2・窯のレンガ積み(できれば経験者)。8月頃の予定。
ボランティアとしての参加で、交通費・宿泊費等はご自身の負担になります。
以上をふまえ可能な方は、①参加者のお名前②ご連絡先(電話とメール)③参加可能日を、下記までお願いいたします。
〇参加申込・問合せ先
メール:funeasobi@gmail.com 電話:0768-82-3960(舟あそび 舟見)
第17回パラミタ陶芸大賞展
本展では、全国の美術館、画廊、美術評論家から「時代を代表する陶芸家」に推薦された上位6名の作家がノミネートされ、各作家の作品が展示されます。選考は展示期間中の来館者の投票によって、最多数の作家が大賞に決定されます。
〇ノミネート作家
奥直子(神奈川)、川瀬理央(静岡)、酒井智也(愛知)、佐合道子(石川)、髙山大(三重)、戸田浩二(茨城)
〇会場 パラミタミュージアム 三重県三重郡菰野町大羽根園松ヶ枝町21―6
電話 059-391-1088
〇会期 6月8日(木)~7月30日(日)*会期中無休
〇投票期間 6月8日(木)~7月13日(木)
〇大賞発表式 7月23日(日)午後2時~
〔同時開催〕
小嶋千鶴子 作陶の軌跡展
実業家でイオンの礎を築いた小嶋千鶴子氏(1916~2022)は、70代から独学で陶芸を始め、82歳には当初の目標3000点の制作を達成しました。また20代の頃より約60年にわたり美術品を収集し、2003年にはそれらを収蔵展示するパラミタミュージァムを開設しています。本展では器、陶人形など、様々な表現に挑戦した小嶋氏の作陶の軌跡をふりかえります。
「旧常滑市立陶芸研究所」が国の登録有形文化財に登録
常滑市(愛知県)にある「旧常滑市立陶芸研究所」とその正門が、国の登録有形文化財に登録されました。
「旧常滑市立陶芸研究所」は堀口捨己による設計で、1961年に建てられ鉄筋コンクリート造の外壁にはモザイクタイルがほどこされています。什器や部材を含め完成当時の状態を保った貴重な資料です。現在はとこなめ陶の森の一施設として、「常滑焼」の若手陶芸家を育成する場となっています。
訃報・加藤孝造さん
陶芸家、加藤孝造氏が2023年4月17日に亡くなられました。88歳。
加藤氏は岐阜県瑞浪市出身。岐阜県陶磁器試験場(現県セラミックス研究所)に勤務後、1970年に独立。
荒川豊蔵(1894~85)に師事し、可児市で作陶を続けてきました。
1984年に日本陶磁協会賞、2008年には日本陶磁協会賞金賞を受賞。2010年には、国の重要無形文化財「瀬戸黒」保持者(人間国宝)に認定されました。心よりご冥福をお祈りいたします。
※敬称略