第51回東海伝統工芸展
本年度の最高賞は梅本孝征氏の「色絵流加彩割鉢」に決まりました。ほか陶芸の受賞作品は以下のとおりです。展観はコロナの影響で中止となりましたが、入選作も含めてHPにて作品写真が掲載されています。
(HP:http://nihonkogeikai-tokai.com/)
日本工芸会賞
「色絵流加彩割鉢」梅本孝征
岐阜県知事賞
「鉄絵掛分釉描大鉢美男葛」前田正剛
三重県教育委員会賞
「志野彩文花器」伊藤公洋
静岡県教育委員会教育長賞
「萬古黒角文鉢」清水潤
東濃信用金庫賞
「天青器」プーチン
(敬称略)
第34回四日市萬古陶磁器コンペ2020
萬古陶磁器振興協同組合連合会主催の公募展で、今回は「注器」をテーマに公募、以下のとおり受賞作品が決まりました。展観はコロナの影響で中止となりましたが、入選作も含めてHPにて作品写真が掲載されています。
(HP:http://banko.jpn.org/)
グランプリ
「舞」岸田怜(長野県)
優秀賞
「白磁窯変注器セット」松本治幸(滋賀県)
「和紙染めポット」一ツ松綾乃(愛知県)
「銀彩茶壺2種」伊藤成2(愛知県)
BANKO300th特別賞
「彩色透かし型萬古『月花白桜』」久保田学(三重県)
審査員特別賞
「Bankorevival pot おまつりのぞう」白木1000華(三重県)
「金彩トルコ黒釉急須」丹下悦子(愛知県)
U40特別賞
「カーネリアン」向井真璃子(岐阜県)
(敬称略)
審査員は、内田鋼一(陶芸家・審査員長)、長井千春(愛知県立芸術大学教授)、水谷満(萬古陶磁器コンペ実行委員長)の3氏。
第59回日本現代工芸美術展中止
本年の第59回展は、新型コロナウィルス感染拡大に関連し、中止となりました。
第6回美濃陶磁育成智子賞に冨岡大資氏
美濃地方で創作活動に励む若手陶芸家に贈られる「美濃陶磁育成智子賞」に、冨岡大資氏が選ばれました。
大垣市出身の冨岡氏は、京都府立陶工高等技術専門校で学んだあと、愛知県瀬戸市の陶芸家の元で修業、平成14年(2002)に岐阜県池田町に築窯しました。先端を棒状や串状に削った木で、土が軟らかいうちに作品に無数の穴を開ける「点刻紋」という独自の技法により、作品を生み出します。
5月28日に行われた授賞式では、オブジェ「始まり」が披露されました。
支援・寄付の呼びかけ 濱田庄司記念益子参考館(ホームページより抜粋)
益子参考館では、1977年の開館以来、濱田庄司の生活した場の香りや息づかいが伝わるような空間づくりを目指してきました。
しかしながら、このたびの新型コロナウィルス感染症の拡大による影響で来館者が大幅に減り、館の収入の主軸である入館料を失ってしまったことにより、館の存続が危ぶまれる状況に陥ってしまいました。かつて東日本大震災で同館が被災した際には「益子参考館再建基金」が設立され、館の維持存続を応援する多くの有志の寄付によって再建を果たし、現在に至っています。
いま、命や生活が脅かされるパンデミックの不安の中にありながら、文化の役割が見つめ直され、人々が生きる上で不可欠であることが改めて認識されているのではないでしょうか。世界の価値観が揺らぐ情勢であるからこそ、失ってからでは取り戻すことが不可能な無二のこの空間を守ることは、未来への責務であるといえましょう。
詳細は、こちらをご確認下さい。https://mashiko-sankokan.net/top/kihu/
室町時代の中国製の青磁など約100点を和歌山市立博物館に寄贈
和歌山県の沖ノ島北方海底遺跡(和歌山市の無人島群・友ケ島周辺)から引き上げられた、日明貿易の青磁碗や壺など約100点が、同市内の淡嶋神社から和歌山市立博物館に寄贈されました。この海域は9州と大阪、和歌山を結ぶ交易の航路にあたり、古くから数多くの陶器が底引き網漁業により引き揚げられています。
寄贈品は中国製青磁が半分以上で、日明貿易で扱われた青磁碗や皿、香炉、他には江戸時代の肥前系の染付椀、茶碗などです。「海揚がり」と呼ばれるこれらのものは、地中からの出土品のように割れて傷んでおらず、当時のままの姿を見ることができます。同館では近く数点を公開する計画です。
「硝子の茶室聞鳥庵」が初公開 京セラ美術館
京都市の京セラ美術館の日本庭園の池に設けられた「硝子の茶室聞鳥庵」の茶室披きが、6月12日に行われました。同館の開館記念展「杉本博司瑠璃の浄土」の関連イベントで、茶室も杉本氏の作品の1つ。
4方と天井をガラスで覆われた2畳の茶室で杉本氏自身が正客となり、茶道武者小路千家家元後嗣の千宗屋氏を亭主に迎えての1席が設けられました。茶席では展覧会にちなんだ百万塔釜や茶室に合わせて作られた水指、茶器などの杉本氏の道具に加え、武者小路千家伝来の4代一翁作茶杓「再来」などの道具が用いられました。この様子は動画サイトでも公開されています。(https://www.youtube.com/watch?v=0za27a0pzD8)
茶室はこれまで、イタリア・ベネチアやフランス・ベルサイユ宮殿で展示しましたが、日本では初公開となります。
「杉本博司瑠璃の浄土」展は10月4日まで。
志賀直哉の油絵や書など200点寄贈 我孫子市白樺文学館
白樺派を代表する作家の1人、志賀直哉の遺品約200点が、孫の山田裕氏から千葉県の我孫子市白樺文学館に寄贈されました。果物を描いた10号の油絵、漢詩をしたためた書などが含まれています。同館で開催中の「志賀直哉展」では、そのうちの約60点を紹介。
志賀は『城の崎にて』『和解』などを執筆した大正期に我孫子で暮らしましたが、その頃親交を深めたバーナード・リーチや梅原龍3郎、安井曾太郎らの作品も展示されています。
「志賀直哉展」は11月8日まで(8月3日〜9月末日は休館)ですが、新型コロナウイルス対策の入場制限を設けています。(問合先☎04-7185-2192)
文化庁「日本遺産」に益子・笠間(やきもの)、高梁(ベンガラ)を認定
地域の有形・無形の文化財を組み合わせて魅力を発信し、観光振興などにつなげる「日本遺産」に、益子焼(栃木県)と笠間焼(茨城県)の産地が共同した「かさましこ〜兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”〜」、「『ジャパンレッド』発祥の地」が認定されました。高梁(岡山県)は、銅山から出る硫化鉄鉱を原料としたベンガラをつくり、硫化鉄鉱を原料とし、九谷焼の上絵、輪島塗、全国の社寺建築に用いられ、銅山跡や豪商・旧片山家住宅、町並みが残されています。認定は今回が最後でした。
やきものに関するものでは「六古窯」、「信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」(新潟県)、「中部高地の縄文世界」(山梨県、長野県)、「日本磁器のふるさと肥前」(佐賀県、長崎県)があります。