令和5年春の叙勲
瑞宝単光章に伝統工芸業務功労として九谷焼の福田良則(福田昇竜)氏、常滑焼の伊藤成二氏が受章されました。
第43回伝統文化ポーラ賞
本賞は伝統工芸技術や無形の伝統文化の分野で貢献し、今後も活躍が期待できる個人または団体に対し、更なる活躍と業績の向上を奨励することを目的としています。第43回の令和5年度において陶芸関係では以下の方々が受賞されました。なお、「第43回伝統文化ポーラ賞受賞者記念展」が12月13日(水)~12月27日(水)にポーラミュージアムアネックス(東京・銀座)において開催されます。
優秀賞 石橋裕史氏(京都府):青白磁の制作・伝承にて
奨励賞 岡田泰氏(山口県):萩焼の制作にて
地域賞 奥川俊右エ門氏(佐賀県):大物ろくろ技法の伝承にて
第32回工芸美術「日工会展」
陶磁・紙芸・漆芸・竹籐・人形・染織・皮革・木工・刺繍・金工・七宝・硝子等の分野の工芸作品を全国より公募する本展において、陶芸関係の受賞作品は以下の通りです。
内閣総理大臣賞 「宙」加藤丈尋(京都府)
東京都知事賞 「黒瓷 浸溜」森田高正(埼玉県)
日工会会員賞 「凜」金井伸弥(千葉県)/ 「塞蹟」小割哲也(静岡県)/ 「水踊ル」上田順康(奈良県)
日工会賞 「untitled」慶野ことり(兵庫県)/ 「Will」吉田里香(京都府)
日工会奨励賞 「水中光芒」千葉慶慎彦(千葉県)/ 「世界は穏やかにつながっている」長谷川宏昭(新潟県)/ 「海への憧憬Ⅱ」若松洋子(愛知県)
(敬称略)
第45回日本新工芸展
公益社団法人日本新工芸家連盟の主催する本展において、陶芸関係の受賞作品は以下のとおりです。また高校生・専門学校生・大学生を対象とした「第6回日本新工芸学生選抜展」も同時開催されました。
文部科学大臣賞 「春陽」阪口浩史
京都府知事賞 「曙光」森克徳
彫刻の森美術館 奨励賞 「イロドリ」西川光男
日本新工芸会員賞 「月の舟」西川勝
日本新工芸会員賞 「鳥」山本幸嗣
日本新工芸会員佳作賞 「春風に誘われて」池澄悦子
日本新工芸会員佳作賞 「山影」岡村衛人
日本新工芸会友賞 「流動」吉田汎
日本新工芸奨励賞 「痕」酒向武一
(敬称略)
小鹿田焼産地では唐臼にダメージ、民陶祭が中止
小鹿田焼の産地、大分県日田市の皿山集落では、7月8日から9日にかけての豪雨により、陶土をつくるための唐臼39基すべてに土砂が流れ込み、破損や流失により生産中断に追い込まれた窯元もあります。粘土を採取する場所への林道も通行止めとなっていて、コロナ明け4年ぶりの開催を予定していた秋の民陶祭の中止も決定されました。
支援などの情報は入り次第、次号(No.842)以降でお知らせします。
被災した唐津焼の窯元をふるさと納税で応援
7月上旬の九州北部豪雨では、唐津市浜玉町(佐賀県)の唐津焼窯元・菅ノ谷窯が被災しました。二基の登り窯を覆う屋根が倒木に押しつぶされるなど被害が大きく、佐賀県のふるさと納税を通した購入による支援の仕組みが始まりました。
小石原焼と高取焼の窯元の豪雨による被災
福岡県東峰村には小石原焼や高取焼の窯元・作家が40軒あまりありますが、小石原陶器協同組合によると、7月8日から9日にかけての豪雨により10軒が被災しました。うち3軒は工房や展示室が全壊するなど、作陶ができないほど甚大な被害を受けています。
今回の災害に対する窯元支援などの情報は入り次第、今後の号でお知らせします。
奥能登地震災害の支援プロジェクト
本年5月の地震により大きな被害を受けた珠洲焼の窯元を支援するため、クラウドファンディングがスタートしました。岡山県在住の備前焼作家や窯元が、「珠洲焼の作家や窯元に直接届く支援を」と立ち上げたものです。
共に須恵器を起源に持ち、焼き締めを追求するという共通点をもった産地として、珠洲焼への支援を広く呼びかけています。締切は8月21日(月)23時までです。
詳細は「令和5年奥能登地震で被災した珠洲焼作家を支援したい!」をご覧ください。
韓国のアートフェア 「フリーズ・ソウル」
イギリス発祥の国際アートフェア「フリーズ」が、去年に引き続きソウル(韓国)で開催されます。今回は約120のギャラリーが出店予定。日本から出店するギャラリーのブースでは、十三代 三輪休雪、⻘木豊、桑田卓郎、舘鼻則孝ら4人の陶芸作家の作品が展示されます。
会期:2023年9月6日(水)~9月9日(日)※初日はプレビュー
会場:COEXコンベンション&エキシビションセンター
ブース番号:C19 (KOSAKU KANECHIKA)
公式サイトはこちらから
訃報・濱田晋作氏
陶芸家、濱田晋作氏が7月16日に病気のため亡くなられました。94歳でした。
濱田氏は濱田庄司の次男として東京で生まれ、翌年益子町(栃木県)に家族で移住。早稲田大文学部美術工芸科を卒業後は濱田窯で修業を積みました。1978年に濱田窯の二代目となり、2008年には栃木県の文化功労者に選ばれています。
ご冥福を心よりお祈りいたします。