協会ニュース 『陶説』平成19年10月号より

▼平成19年度の会員のための陶磁研究会を次のように開催いたします。

[10月研究会]
「安宅英一の眼」
場所 三井記念美術館・レクチャールーム
日時 10月31日(水)午前10時30分より
講師 日本陶磁協会主任研究員・森孝一(入館料のみ)
定員 50名

本展は、かつてない規模と内容によって、安宅コレクションの形成過程とともに、その生みの親ともいえる安宅英一氏の優れた選択眼にせまります。美術品をこよなく愛し、それを収集することに全身全霊を傾け、美の本質を極めようとした安宅英一氏の姿はまさに「美の求道者」と呼ぶにふさわしいものです。美術品に対する価値判断の基準が多様化しつつある現在、安宅英一氏の眼の軌跡をたどり、その本質を問い直すことにより、流行に左右されず、時代を超えてなお人の心を捉えて離さない古陶磁の美の真髄を理解する一助となることでしょう。

[11月研究会]
「乾山の芸術と光琳」
場所 出光美術館・レクチャールーム
日時 11月6日(火)午前10時30分より
講師 同館主任学芸員・荒川正明氏(入館料のみ)
定員 30名

2008年に画師・尾形光琳の生誕350年、2009年にその弟で陶工・尾形乾山の鳴滝窯開窯310年を迎えることを記念して、この日本が誇る偉大な芸術家兄弟を輩出した禁裏御用の呉服商・雁金屋と桃山時代以来蓄積されてきた京の町衆文化および二條綱平を中心として華開いた元禄期の文化サロン、画師・光琳の誕生と乾山工房、近年の乾山の鳴滝窯発掘成果から裏付けられた成果、以上3つの着眼点から両者の作品を読み解いていきます。

11月研究会は定員30名に達しましたので、締め切りました。10月研究会はまだ若干余裕がありますが、お早目に。参加ご希望の方は電話もしくはFAXで日本陶磁協会事務局(電話03-3292-7124 FAX03-3292-7125)までお申込みください。

▼松江支部の秋の行事が10月8日(日)午後1時15分より松江市内「臨水亭」にて開催される。支部総会の後、1時30分より2時間余り「志野・織部・黄瀬戸」について、講師・戸田博理事の講演がある。今回は戸田理事のご好意により、「織部菊文茶碗」ほか数点の茶碗等が展示される。参加費は、会員2,000円、会員外2,500円。詳しくは、松江支部事務局・目次(電話0852-24-0260)まで。

▼横手やきもの研究会による第4回「横手やきもの文化講座」が、10月21日午後2時から4時まで秋田県立近代美術館6階研修室で開催される。講師は阿部宗脩氏(茶道玉川遠州流秋田県支部支部長)と小林忠通氏(日本陶磁協会秋田県支部副支部長)。演目は「見て、聴いて、触って、知る!名品にふれる花入の美」。秋田県教育委員会、横手市、横手市教育委員会、秋田魁新報社が後援をする。お申込み、お問い合せは、〒013-0063 秋田県横手市南巻町24 横手やきもの研究会事務局 小林忠三郎 電話0182-32-3952。

▼鳥取支部の支部長・山本勝次氏(90歳)が8月23日永眠されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌

▼特別展「一期一会~堺の茶の湯と備前」展が、10月16日から11月11日まで岡山県備前陶芸美術館(備前市伊部1659-6 電話0869-64-1400)で開催される。今展では、戦国時代に貿易都市として栄えた堺の発掘調査で出土した多彩な茶道具(中国製天目茶碗、瀬戸美濃茶入、備前水指・花入・茶入、志野茶盌、黒織部茶盌など)約130点が展示される。

▼「今井政之喜寿展」が高島屋京都展に続いて、10月24日から30日まで高島屋横浜店7階美術画廊でも開催される。この新作展は、高島屋美術部創設百年を記念して開かれるもの。今井氏は平成15年、その象嵌作品によって日本藝術員会員に就任し、現在日展常務理事として国内外で活躍されている。

▼美濃の陶芸家・吉田喜彦氏がフランスの現代アーティスト・ボードゥアン氏とのコラボレーションによるアーティストブックを刊行された。このアーティストブックは、カバーが吉田氏の黒陶で、内容は“土と芸術”についてボードゥアン氏が語っている。日本、フランス各12部限定。その刊行を記念して、9月8日から30日まで渋谷区松濤2-11-1 ギャラリーTOMで「吉田喜彦+ボードゥアン フランスの現代アーティストBAUDUINとのコラボレーション」展が開催された。

▼陶芸家・中島宏氏が重要無形文化財保持者に認定され、9月6日虎の門パストラにて認定式が行われた。その後、皇居にて天皇陛下に拝謁、感無量であったという。その翌日には、日本経済新聞社主催による「中島宏先生の人間国宝を祝う会」が、ホテルオークラ東京・本館1階「コンチネンタルルーム」で開催され、関係者200人が祝福に集まった。日本経済新聞社社長・杉田亮毅氏、財界を代表してトヨタ自動車会長・張富士夫氏が祝辞を述べられた後、こんどは中島氏が「こんな大勢の人にお集まりいただき恐縮しております。これからは、名に恥ぬよう、一つでも多く歴史に残るような作品が作れるよう頑張りたい。」と御礼の挨拶を述べられた。

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