協会ニュース 『陶説』平成25年9月号より

▼第22回やきもの文化講座「日本人が愛したやきもの 第9回 古染付」

場所:根津美術館・講堂(東京都港区南青山6-5-1)
日時:10月1日(火)午後1時30分より
講師:中澤富士雄氏(たましん歴史美術館)
定員:120名(先着順)
参加費:会員2,500円、一般3,000円(入館料込み)

古染付とは、明時代末期の天啓年間を中心に江西省景徳鎮の民窯で焼成された青花磁器のことで、日本に輸入されたものに対する独自の呼称です。茶道具や懐石の器など、その多くは日本からの注文と云われています。余白を生かした軽妙洒脱な文様の面白さは、江戸初期から茶人に大いに好まれ、盛んに景徳鎮に注文して作られました。古染付の作品を展示しながら、中国陶磁研究家の中澤富士雄氏に、その魅力を語っていただきます。

参加ご希望の方は電話で日本陶磁協会事務局(電話:03-3292-7124)までお込み申し下さい。追って振込用紙をお送りいたします。

▼〈10月研究会〉「特別展 国宝「卯花墻」と桃山の名陶─志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部─」

場所 三井記念美術館・レクチャールーム(中央区日本橋室町2-1-1三井本館7階 電話:03-5777-8600)
日時 10月9日(水)午前10時30分より
講師 同美術館参事・赤沼多佳氏
定員 50名
参加費:入館料のみ(1,200円)

三井記念美術館では、平成4年に室町三井家より国宝の志野茶碗「卯花墻」の寄贈を受け、これまでも度々「卯花墻」を公開してまいりました。今回は「卯花墻」と同じ地域で、ほぼ同じ時代に焼かれた名陶を数々ご紹介します。近世にもっとも大きく飛躍した桃山後期の闊達な気風を、一堂に会した志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部の名品から汲み取っていただければと思います。なお、会期中展示替えをいたします。

研究会に参加ご希望の方は電話で日本陶磁協会事務局(電話:03-3292-7124)までお申込み下さい。

▼「2012年度日本陶磁協会賞受賞記念 加藤委・杉浦康益展」を10月28日(月)から11月2日(土)まで壼中居にて開催いたします。

▼パラミタミュージアム主催の「第八回パラミタ陶芸大賞」は、伊藤秀人(岐阜県)、金理有(大阪府)、竹村友里(石川県)、林茂樹(東京都)、前田昭博(鳥取県)、前田正博(東京都)の6氏がノミネートされ、展示期間中に投票された3,521票(有効投票)のうち924票を獲得した伊藤秀人氏に大賞が贈られることとなりました(77-80頁も参照)。

▼「神戸ビエンナーレ2013 現代陶芸コンペティション」において伝統・前衛を切り裂く斬新な現代の陶芸作品を募集、264点の応募作品より以下のとおり受賞が決まりました。大賞は松谷文生(愛媛県)の「黎器」、準大賞は岡田優(京都府)の「白釉稜線鉢」と仲岡信人(兵庫県)の「空にひらく穴」、特別賞・兵庫陶芸美術館賞は野村直城(兵庫県)の「ごうもうちゃん」、奨励賞は飯沼耕市(茨城県)の「銀泡彩鉢『KURUMU』」、宇佐美成治(神奈川県)の「Sin-ka I」、小川宣之(京都府)の「phantom」、垣沼千亜季(茨城県)の「floating flower」、昼馬和代(大阪府)の「飛翔─希望の花を咲かせましょう」、美崎光邦(千葉県)の「彩釉泥器」、森山寛二郎(福岡県)の「切り継ぎ─層─」の5点(以上、敬称略)。入賞作品11点および入選作品28点は、9月8日(日)まで兵庫陶芸美術館(電話:079-597-3961)にて、10月1日(火)-12月1日(日)には入賞作品11点がBBプラザ美術館(電話:078-802-9286)にて展示されます。

▼「第60回日本伝統工芸展」が以下の通り巡回します。日本橋三越(9月18日-30日)、名古屋栄三越(10月2日-7日)、京都高島屋(10月9日-14日)、JR大阪三越伊勢丹(10月16日-21日)、石川県立美術館(10月25日-11月3日)、岡山県立美術館(11月12日-12月8日)、島根県立美術館(12月11日-25日)、香川県立ミュージアム(平成26年1月2日-19日)、仙台三越(1月23日-28日)、福岡三越(2月11日-16日)、松山三越(2月18日-24日)、広島県立美術館(2月26日-3月16日)。受賞については次号でお知らせいたします。

▼「Flowers─田嶋悦子展 2013年度著名作家招聘事業×テーマ展」が9月21日(土)-平成26年2月19日(水)に兵庫陶芸美術館にて開催されます。ガラス作家とのコラボレーションを試みた「Flowers」の新作を加え、新旧二つの「Flowers」によるインスタレーション展示、さらに「Cornucopia」シリーズの近作も合わせて展示し、従来の陶芸の枠を超えて、自己から湧き出る膨大なエネルギーを表現し続ける氏のパワー溢れる造形世界に迫る展観です。(97頁も参照)

▼「山田和展─出会いと研鑽 極めた技は未踏の新境地へ」が9月29日(日)まで福井県陶芸館(電話:0778-32-2174)にて開催されています。加藤唐九郎に師事し、志野や織部など桃山陶に学びながらも独特の作風を展開する氏の最新作を中心に展示。(97頁も参照)

▼「伊藤慶二展 ペインティング・クラフト・フォルム」が岐阜県現代陶芸美術館(電話:0572-28-3100)にて平成26年1月13日(休)まで開催しています。新作を中心とする陶のオブジェ、器の作品、近年、氏が再び取り組んでいる絵画の世界が紹介され、併設の「日根野作三と薫陶をうけた7人」展においても作品が並びます(89、91頁も参照)。

▼「大和保男の陶芸~魂の造形」展が9月3日(火)-29日(日)に山口県立萩美術館・浦上記念館(電話:0838-24-2400)にて開催されます。確固たる造形思考で現代の萩焼に芸術性を追求してきた氏の70年の代表作を新作とともに展示。(98頁も参照)

▼シリーズ「美術の中のかたち─手で見る造形」展の第24回展「近いかたち、遠いかたち─岡普司・重松あゆみ・中西學」が11月10日(日)まで兵庫県立美術館(電話:078-262-0901)にて開催されています。「かたち」とは何か、「ある」ものなのか、「成る」ものなのか、あるいは「生まれる」ものなのかを今一度考えるため、ユニークな発想点から各々異なる技術と材質による制作を続けてきた3人の作家の作品を展示。(97頁も参照)

▼「今様~食の器~」展が9月29日(日)まで岡山県備前陶芸美術館(電話:0869-64-1400)にて開催されています。

▼「土窯」展が9月23日(休)まで備前市埋蔵文化財管理センター(電話:0869-92-4300)にて開催されています。中世古窯(土窯)の復元に取り組む陶芸家グループより、平川忠、赤井夕希子、ジョン・トーマス・ウェルズ、山崎尚彦の各氏が3年前に復元した土窯で焼成した作品、中世(鎌倉-室町)の復元と現代のものを合わせて制作、展示。

▼東京国立近代美術館工芸館で開催される「クローズアップエ芸」展(9月14日-12月8日、85頁参照)に合わせて東京藝術学舎(電話:0120-530-920、HP http://gakusha.jp/tokyo/)にて講座「細部を探る クローズアップエ芸(工芸講義)」が10月8日-12月10日に計5回開催されます。講師は唐澤昌宏・北村仁美・今井陽子の各氏でいずれも東京近美研究員。詳細は右記の電話もしくはHPにて。

▼昨年4月1日から賛助会員の募集を始めました。1口1万円で5口からです。現在の賛助会員は井上オリエンタルアート、北村美術展、14代今泉今右衛門氏、酒井田柿右衛門窯、神通静玩堂、鈴木藏氏、谷庄、中島宏氏、はごろもフーズ、繭山龍泉堂、ロンドンギャラリー、渡邊三方堂です。心より感謝申し上げます。

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