▼ 2019年春の褒章・褒章
陶芸関係では以下の方々が受章されました。心よりお祝い申し上げます。
旭日小綬章
中田一於氏(石川県小松市)
旭日双光章
十五代坂倉新兵衛氏(山口県長門市)
瑞宝単光章
近藤義和氏(愛知県常滑市)
林光夫氏(三重県四日市市)
柴岡正志氏(岡山県備前市)
黄綬褒章
石山人氏(岐阜県羽島市)
▼「瑞泉寺茶会」のご案内
流派に関係なくどなたでも参加できます。
日時
9月26日(木)9時より
場所
鎌倉瑞泉寺 鎌倉市二階堂710
掛釜
濃茶席・薄茶席 正井正玄(表千家)
会費
14,000円(点心付)
申込み
電話にて受付 ☎0467-22-1191(瑞泉寺)
世話人
遠州流小堀宗実、江戸千家川上宗雪、茶道学会田中仙堂、湘南後援会ほか
▼「日本一⁉高い場所から発見された桃山茶陶」
京都市考古資料館(☎075-432-3245)で8月12日(祝)まで開催しています。
京都市右京区の愛宕神社の境内で見つかった安土桃山時代から江戸時代前期の皿、碗、向付など約30点を展観しています。
愛宕神社が約20年前から境内の斜面で採集したもので、釉薬が施された志野や織部などの美濃産が八割ほどを占めています。唐津や高取産の陶器のほか、中国から輸入された磁器もあります。
▼「栄木正敏さんに会いに行こう! 栄木正敏遺作展」
ノリタケの森ギャラリー(☎052-562-9811 愛知県名古屋市西区則武新町3-1-36)にて7月9日(火)~7月15日(月)に開催されます。
本年2月に急逝したクラフトデザイナーの栄木正敏氏の、瀬戸で最初のグッドデザインに選定された「手描きカップ&ソーサー」を初め、数々の作品が展示されます。また、映像や道具・スケッチ等の展示を通じて、栄木氏の仕事振りやデザイン思考なども合わせて紹介されます。
▼「デザイン―それぞれの思考―吉田守孝/田上知之介」
瀬戸市新世紀工芸館(☎056-96-1001)にて9月23日(祝)まで開催しています。
柳宗理に師事しプロダクトデザイナーとしてステンレス・木工・陶磁と様々な素材の生活道具を手がける吉田。森正洋・栄木正敏・蓮見孝らに師事して陶磁器デザイナーとしてまた大学でのデザイン研究・教育を基本軸に活動を展開する田上。本展では、二人の作品と合わせて模型や図面などのデザインプロセスも展示しています。
▼「那覇市指定無形文化財 壺屋焼 10人展~登り窯への想い~」
那覇市立壺屋焼物博物館(☎098-862-3761)にて7月8日(月)まで開催しています。沖縄の伝統的工芸品であり、那覇市指定無形文化財でもある「壺屋焼」のこれからを担う陶工、金城吉彦・小橋川明史・赤嶺肇幸・新垣寛・石倉一人・賀数郁美・金城英樹・玉城望・髙江洲康史・新垣優人によるグループ展。
壺屋は、1974年より登り窯での焼成が禁止され、焼成可能な他市町村でも登り窯焼成は少なくなっています。本展では、今回初めて登り窯焼成に挑んだメンバーと、現在も登り窯で焼成を行っているメンバーの作品が並び、登り窯に対する想いや壺屋焼と登り窯の歴史などを展示しています。
▼切込焼の名品3点を初展示
江戸時代後半、仙台藩御用窯として磁器を産した切込焼。収集家の遺族から寄贈された「最上クラス」の3点を、宮城県の切込焼記念館(宮城県加美郡加美町宮崎字切込3 ☎0229-69-5751)で初展示しています。
切込焼については、伝わる作品や史料が少なく、「幻の古窯」とも呼ばれています。その収集家の数十点あるコレクションから3点を選び、同館が昨年、寄贈を受けました。いずれも作者や製作年などを示す「銘」はありませんが、幕末期の作とみられています。
▼「幻の東京五輪」の記念盃を展示
2016年に富山市で発掘された「幻の東京五輪」の記念盃の陶片13点が、「発掘された日本列島2019 新発見考古速報」展(江戸東京博物館 ☎03-3626-9974、7月21日まで)で展示されています。
日中戦争のため昭和15年(1940)に開催予定だった東京五輪にちなみつくられたものです。岐阜県多治見市市之倉でつくられたと考えられ、「ORINPIKU」の文字や五輪のマーク、日章旗、桜の絵が描かれています。
《 巡回 》
花巻市博物館(岩手8月2日~9月10日)
三内丸山遺跡センター(青森 9月21日~11月4日)
名古屋市博物館(愛知 11月16日~12月28日)
大野城心のふるさと館(福岡 1月18日~2月26日)
▼魯山人の住居「春風萬里荘」庭園改修費用をネットで募る
「春風萬里荘」(茨城県笠間市下市毛芸術の村 ☎0296-72-0958)は、魯山人が北鎌倉でアトリエ兼住居として使っていた茅葺民家。現在は笠間日動美術館の分館として陶芸作品などを展示しています。
このほど、老朽化や地盤の変化、バリアフリーに対応するため、建物の前に広がる約1100坪の庭園を改修するプロジェクトを立ち上げました。費用の一部はクラウドファンディング形式で寄付を募り、目標額の500万円が達成され、改修が着手されます。
▼宋左近記念芸術館、東北陶磁文化館が閉館へ
宮城県加美町にある、縄文土器を集めた「宗左近記念縄文芸術館」が今年12月末で閉館します。
同館は昭和初期の醤油蔵を改装して1988年に開館。東北地方を代表する「亀ケ岡式土器」をはじめ、詩人の故・宗左近氏から寄贈された縄文時代の鉢や土偶約200点を展示していますが、老朽化に伴う雨漏りなどがあり、展示物の保存に支障が出ていました。
また、江戸期から大正期の陶磁器を集めた同町の東北陶磁文化館も、来年度中に閉館の予定です。
▼国立歴史民俗博物館がリニューアルオープン
大規模な展示変更のため2年10カ月にわたる長期閉鎖を行っていた国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市城内町117 ☎03-5777-8600・ハローダイヤル)の総合(常設)展示が、リニューアルしました。
新しくなったのは「先史・古代」をテーマにしたエリア。4万年前の南関東を歩く実物大のナウマンゾウの模型など、視覚的に歴史を学ぶことができるほか、土器と土偶の展示が従来よりも一層充実しています。
▼有田陶磁美術館が常設展示をリニューアル
佐賀県有田町の有田陶磁美術館(佐賀県西松浦郡有田町大樽1-4-2 ☎0955-43-2678)では、常設展示品を半数ほど入れ替えました。
明治期をメインに江戸時代から昭和前期までの名品を並べ、関係する窯元や商人、制作背景の説明文を付け、展示内容をわかりやすくしています。
新たに展示では、明治11年(1878)のパリ万博出品作と伝えられる「色絵花鳥図大皿」。直径約90センチの大作のため、当時主流の土型の代わりに用いられたとされる木型を見ることもできます。
▼縄文土器の物流ルートを解明
沖縄県で見つかった縄文時代の土器のうち、現地で作られたものではないとみられる「非在地系土器」が九州から運ばれていたことが、弘前大学の研究チームの調査でわかりました。
土器に使われた土に含まれる火山由来の粒子「火山ガラス」が、九州地方の火山から噴出したものであることが確認されたことで、九州と沖縄との物流ルートの存在が、科学的な手法で証明されました。
▼河南省で青銅鋳造用の陶器製金型を発掘
中国・河南省安陽市にある「洹北商城」遺跡で、3000年ほど前の殷代の墓から、初めて鋳銅技術者一族のものが発見されました。殷代は、紀元前17世紀ごろに成立し、紀元前1046年に滅亡しています。2015年に鋳銅の作業場の跡と判断できる遺構が見つかっていました。この墓は王室に管理され、統治者階級のために青銅の儀式用具を作っていた一族と考えられ、その副葬品のなかに、青銅器鋳造の際に用いた金型の陶器が見つかりました。
▼訃報
薩摩焼宗家・十四代沈壽官氏が6月16日、肺炎のため逝去されました。享年92歳。
薩摩焼の普及に尽力するとともに日韓の文化の橋渡しにも積極的に貢献し、日本人として初めて韓国銀冠文化勲章を受章、また長年の日韓文化交流活動が評価され、旭日小綬章も受章されました。
心よりお悔やみ申し上げます。
▼「Tokyo Antique FAIR 2019」
東京美術倶楽部・四階会場にて開催されます。
Tokyo Antique FAIRのFacebookページでも情報を発信しています。
日時
7月13日(土)10時~17時
7月14日(日)10時~17時
7月15日(祝)10時~16時
入場料:無料
問合先:実行委員会(古美術あさひ ☎03-3272-3970)
〔主な出展〕*カッコ内はブース番号
井上オリエンタルアート 日本橋(C-2)
江戸期の古九谷や鍋島など染付を中心に出品。
前坂晴天堂(B-7)
「~百花繚乱~古伊万里の世界」展を開催。鍋島・古九谷・柿右衛門・古伊万里など肥前有田磁器の優品を出品。
利菴アーツコレクション(A-3)
「贛州窯擂座柳斗文碗」(元・十四世紀)、「康煕染付花鳥文双翼耳瓶」(清・十七世紀)など日本・中国・朝鮮の鑑賞陶器および銅版画の優品を出品。
古美術あさひ(A-4)
蒔絵を中心に出品。
▼「~古伊万里を使う~BLUE and WHITE」
6月27日(木)~7月10日(水)に渋谷・東急百貨店本店八階・美術ギャラリー(☎03-3477-3857 直通、担当:前坂・浅野)にて開催されます。江戸・明治の古き良き時代の器より、藍と白の涼やかな古伊万里染付食器が多数展示販売されます。
また、戸栗美術館・太田記念美術館で開催される「青のある暮らし」をテーマとした展覧会の連携企画として、7月31日(水)まで同店8階工芸品売場にて染付の古伊万里を中心とした展示即売会が催されます。